カメラマン道

きしょポン。映像制作でカメラマンや音声マン、ドローンパイロットをしています。TVCMをはじめ、WEBCM、VP、MVなど様々な分野で撮影しています。ドローンスクールJUIDAの認定講師でもあります。主に動画撮影機材、静止画撮影機材のレビューなど

HXR-NX5R

今日は、業界でよく利用されるカメラをご紹介します。

 

テレビ業界では、ディレクター【監督】がカメラをまわすことが多々あります。理由はいくつもありますが、多いのは予算削減や納品までのスケジュールがタイトというところでしょう。

もちろん従来通り、技術部【カメラマン、音声】に依頼してカメラまわりを外部に委託することもあります。

 

この映像業界ではど定番といわれるカメラがあります。それは写真業界でいうところのキヤノンニコンだったりします。そう、いわずとしれた黒い巨塔のソニーです。わたしも新参者なので、過去の機種にかんしては他の方々にお任せしますが、最近ですとHXR-NX5Jでしょう。数多のプロ向け機材の中でもダントツ人気があります。

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現在は生産完了となっていますが、未だに大手キー局を含め様々な現場で活躍しています。一番馴染み深いシーンだとブライダルだと思います。

 

さて、前置きが長くなりましたが、そんな名機でも販売終了だったり、テクノロジーの進歩により劣化していきます。販売終了後、面白いことに、直系の後継機がでていません。スペックが高くても操作系が継承されていなかったり、操作系がまあまあいいのに、業務に使用できない外装だったりと、なにかにつけてなにか足りない、、、という状態が数年にわたり続きました。そしてようやく発売したのが、HXR-NX5Rです。こいつは誤解のないように説明しますとほぼ直系といえます。一部機能制限があり、本当に直系かと問われると、答えずらいのですが、限りなく近いといえます。

 

業務利用で一番大事なことは、3連リングと高倍率ズーム、そしてSDI端子、内蔵NDがついてるかというところが、主な条件です。3連リングはフォーカス、ズーム、アイリス【絞り】が同時に操作できる仕様のことをいいます。特にテレビで多いワンカメショーでは重要といえます。ワンカメショーとは、カメラマン、音声マンがセットになり、ロケを行うことです。よく、旅番組などで見られる収録スタイルのことです。私もこのスタイルで撮影することがおおいです。

このスタイルでは、いかに多様な条件下で撮影を迅速に行うかが重要になります。明所から暗所に行くような流れ、例えばお店の外観から内観へ移動するシーンなどでは、アイリス、内蔵NDを同時に作業します。場合によってはWBも同時に操作します。

 

また、タレントさんが何かを手に持ったときに物に寄ったり、引いたりする時にはズームワークになります。もちろんフォーカスはどのシーンでも外せません。

 

この様に、ワンカメショーでは3連リングは必須といえます。また、SDI端子も業務利用では必須です。これは比較的安価なケーブルで長く伸ばす事ができます。プロの現場では、多くのスタッフが立ち会います。制作、技術はもちろんのこと代理店、クライアント、タレント、メイク、スタイリスト、マネージャーなどあげたらキリがありません。中小規模の案件でも20人を超えることはザラです。現場の笑い話ですが、打ち合わせで会った事がない人が、弁当を食べていたりします。

その様な現場では、いくつも確認用のモニターを出しておきます。そうすると進行確認や画質のチェックを行う事ができるわけです。狭い現場ではHDMIで問題ないのですが、広い現場や待合室が違う現場では直線距離で30M以上がザラです。しかも何本もひいたりするので、HDMIのような高価なケーブルよりも安価なSDI端子が好まれる理由でしょう。

 

なので、プロ向けというと放送向けに特化して画質が特段いいわけでは無く【もちろん、放送向けです】業務用の機能が特別に付属しているから、民生機よりも高額になるといえます。